●図面上の寸法と人間の感じ方のビミョーな関係
以前「廊下の幅と長さの関係」の項で、“同じ幅の廊
下でも、その距離が長くなると、狭く感じる”ということをお話しましたが、今回は
もう少しその内容をツッコンデお話してみます。
まず、ローカの幅に関してのおさらい。
幅が1mで、長さが2mの通路と、幅は同じ1mで、長さが20mの通路を想像してみて
下さい。
そうですね。長さ2mの通路は、何〜んの違和感もなく通り過ぎることはできそうで
すが、幅が同じ1mでも長さが20mもずーっと続いていると、何だか吸い込まれそうな、
少々不安な感じがありそうですよね!?
家の中の通路(廊下)は、実際の幅が同じであっても、長さによって『感じる狭さ
(広さ)』は変わってくるのです。
つまり、ローカの設計を考えるときに、長くなればなるほど、その幅も広くした方が、
実際に使う時には違和感がなく使えるということ。
このことをしっかりと頭に入れて計画を進めておかないと……。
図面上で通常の幅のローカを作ってはみたが、実際に使い始めると、毎日無意識のう
ちに「何〜んだかヘンな違和感を感じる」ということのなってしまいますのでご注意
を!
天井の高さでも、同じことが言えます。
今一般的な天井高の標準は2m40cmですが、この高さで、部屋が10畳なら、おそ
らく「天井が低いなぁ」とは感じないないと思います。
でも、同じように天井の2さが、2m40cmだったとしても、部屋の広さが30畳な
ら、皆さん 少々圧迫感を感じることになると思います。試しにモデルハウスや自分
ち、お友だちの家なんかで実際に立ってみてください。
少し、ニュアンスは違いますが、
2m40cmの天井より、20cm高い、2m60cmの天井の方が、開放感があって気持ちイ
イに決まってますよね。(暖房効率は別にして)
でも、全ての天井の高さが同じ2m60cmなら、どうでしょう?
比べるものが無いですから、いつの間にか慣れてしまい、別段「高いな〜」とも思
わなくなってしまいます。つまりいつみても「それが当たり前」になってしまうので
すね。
そこで、相対性理論(?)
うちの設計マンが私によく「これが設計の奥義だ!」などとエラソーに言ったりする
のですが、そんなタイソーなものでもありません。(笑)が、家作りにおいてかなり
重要なポイントになることは間違いありません。
天井に高さを持たせ、開放感を演出する場合、高さを強調したい場所の周辺に意図的
に低い天井をバランスよく配置する。つまり天井に段差をつける。
その、「高低差」があってはじめて、いつ見ても「ああ〜高いな〜。開放感があって
気持ちイイなぁ〜!」と感じることができる訳です。物理的な広さよりも「人間の感
覚や感じ方」を大切にした演出のテクニックのひとつなのです。
同じことが、広さにも使えます。
例えば、限られた敷地で、いかに開放感を演出するか?というときに応用します。
敷地の面積は変らないのですから、いかに「広く感じることのできるる空間を作るか」
ということが大きなポイントになりますよね。
一例ですが……。
意図的に、アプローチ(門から玄関までの通路)と玄関、廊下をなどの幅を少〜しば
かり狭目にしておく。
そうしておいて、感覚を最大限絞っていただいて、リビングに入った瞬間に一気に開
放します。(このとき、リビングに入った瞬間の視点で空間が最大限に感じることが
できる設計をします)
そうすると、14畳のリビングダイニングが18畳にも20畳にも感じることができ
るのです。
「そんなぁ〜。14畳は14畳じゃん!」なんて。でも本当なのデス!一度体験して
みてください!きっと実感できますから!
くねくねした長い山道を歩いていて、頂上に出て、急に視界が拡がると「おおっ!」
となりますよね。それと同じ理屈です。
家づくりというは、設計図の上にロボットや人形をおいて動かすゲームではありませ
ん。人が「暮らし」「住まう」ものなのです。
だから、大切なのですよー!この「人間の感覚や感じ方」って。
だって家に住むのは、「正確な測定機能を備えたロボット」じゃなくて、「感性豊か
なある人間」(やもっと感性の豊かな犬たち?)なんですもの。
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