忘れられないあの日。
みなさんは、どうしておられましたか?
平成7年1月17日5時46分、「ドーン!」という音と共に大地震が発生しました。
震源の淡路島北部では、マグニチュード7.3、神戸と洲本で震度6〜7、豊岡、彦根、京都で震度5、大阪、姫路、和歌山などで震度4を観測するなど、東北から九州にかけて広い範囲を襲った最悪の地震となりました。
この災害による人的被害は、死者6,433名、行方不明者3名、負傷者43,792名(消防庁調べ、平成14年12月26日現在)という戦後最悪の、極めて深刻な被害でした。
ご存知の通り多くの住宅が大きな被害を受けました。
全壊が約10万5,000棟、半壊が約14万4,000棟((財)阪神・淡路大震災記念協会)。
多くの方が、近くの施設や仮説住宅などでしのいでおられたのが、ついこの間のように思い出されます。
私は当時、神戸市に住んでおりましたが、ありがたいことに、今はこうして生きのびて、この記事を書かせてもらっています。
しかし、当時は正直なところ、先の見えない、不安な日々が続きました。
家では、水道・電気・ガスは、1週間ほど完全にストップ。
水が使えないので、食事はもちろん、風呂もダメ。
トイレからは、日増しに悪臭が漂ってくる。
こんな状態では、家族のプライバシーやわがままを言うのは、とんでもない非常識でした!
もう、「生きる」ってことに必死なわけです。
近所の小学校に水を汲みに出かけたり、ガソリンスタンドに2時間も並んで給油したり。
石油ストーブの石油が切れてしまってからは、毛布にくるまって過ごしました。
真冬のさむ〜い時期でしたから。
通勤できるようになってからは、電車の走っていない区間もあって、乗継が大変でした。そして毎日、弁当(真っ暗なうちから早起きしてくれた嫁さんが作ってくれた宝物の弁当だった!)を持って会社に向かい、電灯のない真っ暗な夜道を家路へと急いだものです。
多くの人たちが乗り継ぎの駅へと行列を作っていました。
そんな我々をカメラに収めるマスコミの人にも出会ったりして。
今まで当たり前のようにやってきたことができないのは、とても不便なことだと実感した、まさに、そんな日々でした。
しかし、不思議なことに、夜になって部屋でろうそくを灯して、そのあかりだけを頼りに家族と話した情景は、今思い出しても妙にあったかいんですね。
皆さんの周りでもこんなひと時ってありませんか?
お仏壇やお墓のご先祖さんの前で手を合わせるとき、お風呂でふぅっと疲れを癒すとき、小さな子どもたちにお話をするひとときなど。
その時は、ほんの小さな1本のろうそくの灯りが、普段あまり面と向かって話をしていなかった家族と向き合う時間をもたらしてくれました。
それはもう、心からありがたい気持ちになりました。
普段の生活の便利さに慣れて、そのまま暮らしていたら、そういうことにも気づかずにやり過ごすところだったのでしょうね。
でもおそらく、昔の人たちはそうやって夜を過ごしたり、星や月を眺めたりして、自然の中で生きていく知恵を磨いていたことだろうと、思いを馳せたり・・・・・・。
便利に暮らすことよりも、尊い何かを大切にしていきたい、そう感じていたのではないかなと思ってしまいます。
何だか、私情をはさんだつぶやきになってしまいましたね。
ごめんなさい。
さて、震災を前後して、私たち住宅を提供する側の技術もいろいろと厳重なものになってきたわけですが、お客さまにも、ちょっとした変化が見られるようになりました。
これは、西宮の方で、震災で実際に起こったお話です。
2×4の住宅は、建物自体はとても丈夫なのですが、逆にこの丈夫さゆえに家の基礎ごと、横に倒れてしまったお家がありました。
私たちも、現場を見せてもらいましたが、本当に驚きました。
これはほんの一例ですが、そんな事情を察してか、実際に震災に遭われていなくても、家を建てられる人の地盤に対する意識にも変化が見られるようになってきました。
プランを進めていく中で、最大の関心事はやはり建設費です。
必要なところにコストがかかるのは当然のことで、それをいままでお客さまにご理解いただくのに私たちは、とても苦労していました。
加えて、以前は、地盤の補強など、それが必要なことをわかっていながらも、「少しでも安くあげたい」ということにどうしても意識が行ってしまって、何か無駄なお金をかけているんじゃないかという人が圧倒的に多かったのです。
それが、地震後は、基礎はもちろんのこと、地盤もしっかりしておかなければという意識をもつ人が明らかに多くなりました。
ただ基礎工事に関しては、震災以降さすがに、できるだけ安くという意識はなくなりましたが、土地自体の地盤の強さへの関心はまだまだ薄い気がします。
別の項でもお話をしましたが、地盤に補強が必要になった場合は、本当に思いもかけない費用がかかることが少なくありません。ですから土地を選ばれるときには、その土地の地盤がどうなっているのかを事前にしっかりとチェックしておくことが大切です。
命あっての住まいです。
大切なご家族の命をしっかりと受け止める家づくりの第一歩は、地盤にあると強く思っています。
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