第二十七話
 「家」であって「家」にあらず? ダメ出ししてもらおう

家を建てると決まったら、まずは土地のチェックから。特に建替えの場合は、すでに 土地の条件が決まっているわけですから、まずは基本となる建蔽率や建築面積などを 調べて、次に住宅雑誌などで間取りの勉強も。

「うちの土地ならこれくらいの家が建てられるな」
「間取りはこうしたい」
「外観デザインはこんなテイストで」……などなど、
私たちが初めてお会いする時には、すでにおおまかなプランを頭に描いていたり、しっ かりと綺麗な間取り図を作られている方もたくさんいらっしゃいます。

そうなると話は速い?

でも現実はそうはいかないのです。

「予算の話? 夢と予算とのギャップの問題?」
 
いえいえ、実はそれ以前に色々と問題があるのです

ひとことで言うと、「家にならない」

前にもお話した通り、お客さんの言ったこ と、考えていることを“そのまんま”カタチにすることはさほど難しくないことも多 いのです。
「お客さんが考えている範囲内だけでいい」「より住みやすい、良い家にするための 工夫が必要ない」「お客さんの言った通りにすれば仕事がスムーズ」というある意味、 楽で横着な発想の仕事になってしまう。つまり、自分の仕事の効率を優先して、お客 さんの暮らし方を考えていない!!

では、「家にならない」というのはどういうことかと言うと……。

確かに、建築面積も延べ床面積も基準内に納まっている。間取りも一見問題ない。特 殊な間取りでも何でもなく、住宅雑誌でよく見かけるフツーの間取りになっている。

でも、「家」になっていない!

つまり、図面上は「家らしきもの」にな?はいるのですが、ワタシから見るととて も人が住める代物ではないことが少なくないのデス。

「家」とは、「人が、家族が、長年に渡って毎日24時間365日、元気に快適に “暮らせる”場所」です。

それをカタチにするためには、部屋の向き、陽当たり、風の道、はたまた家族の性格 や暮らし方などなど……ほんとうにさまざまな要素をバランス良く組み上げていくこ とが不可欠なのです。
それを実現するのが、家づくりのプロ仕事だと思うのです。

で、私がこんなケースに遭遇した時、どうするか?

「ダメ出し」します!ハイ。ハッキリと。(^-^;

もちろん、そのまま活かせる部分は別として、家の向き、部屋のつながり、採光や風 の問題などなど、「家」としてダメな部分はすべてダメ出しします。(^-^;
※おそらくフツーそこまで言いません、ハイ。でも私はします。m(_ _)m

ワタシの視点はひとつ、「自分の家やったらどう作る?」です。
だから、自分や自分の家族が暮らしていくのに間違いなくマイナスになるところは許 せないのです。

ですから、まず最初はそこから判断していきます。
で、少しずつコミュニケーションを取りながら、そのお客さんや家族にとってどうし ていけば良いかを見つけ出していくのです。

こんな私のやり方ですから、少し極端かもしれませんが……。(^-^;

でも少なくとも、あなたが作ったプランに対して「はい、そうですね〜」「いいです ね〜」と言われる中でできる家よりも、ハッキリと「ここはこれではマズイです!」 「ここもありえません!」「根本的にこの向きはオカシイです!」等々、しっかりと その理由の説明もしてハッキリとダメ出しをしてくれた方が良いです。間違いなく。

誤解を恐れずに……もっと極端に言うと、「ダメ出し」が多ければ多いほど、「ダメ 出し」の数だけ「工夫・提案」があればあるほど、いい家に近づいていくのではない かと思っています。

※エラソーなことを言っちゃいましたが、このお話、どこか頭の片隅に置いておいて いただければ嬉しいです。


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