前回は、『値段の安い家の理由』についてお話しましたが、今回は引き続き『値段の高い家の事情』についてお話させていただきます。
高いですよね、 家って。この仕事を長年やっていてつくづくそう思います。
その値段の高い家の中でも特に高いのが、大手ハウスメーカーさん。
でも、住宅展示場に行ったりすると、その豪華なしつらえに「まあ、なんて素敵」(うっとり〜)と、なっちゃいますよね。しかし、正直高い、高すぎる。
では、ハウスメーカーはどうしてそんなに値段が高くなるのか?
ここで少しご説明しましょう。
ハウスメーカーの家の値段が高くなる事情とは、ズバリ、経費が掛かり過ぎているから、ということです。
掛かり過ぎている経費とは、主に次の3つです。
1.広告宣伝費(テレビやラジオのCMや、新聞広告などの広告料)
2.販売経費(住宅展示場や、数え切れない豪華なカタログなどの販売経費)
3.人件費(企業が大きくなると事務職などの多数の職種の社員も多くなる)
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広告宣伝費に関しては、皆さんのご想像の通りです。
庶民の感覚からは、かけ離れた"億単位"のお金になります。
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販売経費に関しては少しご説明します。
まず、住宅展示場の経費ですが、これがバカにならないのです。
ハウスメーカーは総合住宅展示場の運営会社さんに出展料を支払うのですが、この出展料の相場がナント月々150万円〜300万円(関西の場合)
そして、モデルハウスの建築費(原価)が6000万円〜8000万円程度掛かります。このモデルハウスは通常5年で建て替えるか移転するので、月割りにすると、約100万円。さらに光熱費がプラスされます。
合計すると、展示場経費は月々300万円〜400万円掛かることになります。
次に、カタログ等の販売ツールの作成費用。
コレもまた、想像以上にお金が掛かるのです。
少し豪華なカタログになると1部あたり千円以上になります。
ハウスメーカーはそんなカタログを常時、数十種類用意しています。
モデルハウスに行ったり、資料請求などで気軽にもらっているカタログが仮に4冊だったとすると、それだけで2〜3千円程度のお金が掛かっているのです。
ここで、もう少し突っ込んで考えてみると、こうなります。
一つの住宅展示場で受注できるのが、およそ毎月2〜3棟。
ということは、この毎月受注できる2〜3棟に、毎月の展示場経費の300〜400万円が乗っかることになります。
つまり、家を建てると、自動的に展示場経費の100万円〜200万円をあなたは、知らない内に支払うことになります。
展示場を見て「まあ素敵」と、うっとりしている場合じゃないですね(笑)
ついでに言うと、営業マンが、モデルハウスに来場されたお客さんに気前良く渡している豪華なカタログ代も家を建てたあなたが支払っていることになります。
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最後に人件費。
企業内では、よく"直間比率"と言ったりするのですが、簡単に言うと、お金を稼いでくる社員(営業)が直接部門で、それ以外の社員が間接部門と云って、その人員構成の比率を云います。
当然ですが、直接部門の人員に対して間接部門の人員が多くなるほど、企業の収支は厳しくなっていきます。
収支が厳しくなっていくと、販売棟数を増やすか、家1棟当たりの利益を増やすしか方法はないのですが、そもそも営業人員が少ないのが原因ですから、販売棟数を増やすのは難しい。となると、家1棟当たりの利益を増やすしか方法は無い訳です。
間接部門でも設計マンや工事マンは品質に直接関係していますので、少なければ良いというものではありませんが、会社が大きくなると、事務屋さんも含めて間接部門を増やさざるを得なくなります。
さて、結論は、こうです。
住宅屋さんの収入とは、建てて頂いた、あるいは買って頂いた家から出る利益がその全てです。それ以外の収入源はありません。
つまり、テレビCMや新聞広告、展示場経費や、カタログ等の販売ツール、さらに自分よりもたくさん給料を貰っている?社員さんの人件費、など全ての経費が、家の価格に乗っかっているという現実です。
ハウスメーカーさんの家は、純粋に仕様や設備のグレードが高いから、値段が高い。と言う訳ではないのです。
では、ハウスメーカーなんて、存在意義がないじゃないの!となりそうですが、これまた、そうではありません。
ハウスメーカーの存在意義は、そのメリットは『安心』です。
安心とは、すなわち、安定したサービスや品質の提供を意味します。
ハウスメーカーは国や行政が定める基準とは別に独自の自社基準を設けています。その基準とは、構造の安定であったり、耐久性の追及であったり、施工の統一であったりします。
あなたが、心配していちいち細かいことを言わなくても、ハウスメーカーに任せておけば、合格点の家が出来上がります。
ただ、ココで言う合格点とは、あくまでも『最大公約数』的な意味合いでの合格点ですので念のため。
前回にも述べましたが、「アフター対応に責任を持とうとする業者は、アフターメンテナンスが少しでも減るように工事をします。つまり品質が良くなることを意味します」と、ご紹介しましたが、ハウスメーカーは、まさにこの『アフター対応に責任を持とうとする業者』なのです。
※ただ、全てのハウスメーカーが『アフター対応に責任を持とうとする業者』では決してありませんので、ご注意ください。
ハウスメーカーの中にも荒っぽい業者さんもありますし、アフター依頼をしても対応しないという読者からのお悩みメールを頂くことも多々あります。
また、企業姿勢が良くても、担当する営業マンや、設計マン、工事マンの質が悪いと、同じことですので、念のため。
さて、限られたご予算の中で、家の価格に『安心代』として、いくらプラスできるかは、皆さんの感覚によってマチマチだと思いますが、一世一代の大きな買い物です。限られたご予算の中でコストバランスを良く考えてご検討なさってください。
いかがでしたか? 前回に引き続き、今回もまた少し肩が凝るようなお話になってしまいましたが、これからマイホームをご検討される皆さんの『後悔しない家づくり』のヒントに少しでもなれば良いなと、このコーナーの最初に、敢えて、このテーマをご紹介しました。
今後は楽しい話題も盛り込みつつ進めて行くつもりですので、よろしければ引き続き訪ねて来てくださいね。
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