ゴールは『終の住処(ついのすみか)』 その2 〜マンション・建売り・建築条件付土地

前回に引き続き今回は、住宅の形態別に、もう少し詳しくお話していきます。


【マンション】

実は私も、分譲マンションに住んでいるのですが、マンションってどうなんでしょうね?

一戸建て住宅と違ってマンションは事業主の顔が見えづらい分、買う方も判断が難しいですよね。

さて、マンションのメリットとは?
1階・2階にお住まいの方は別にして、魅力はやはり、防犯性ですね。
戸建て住宅の場合は、玄関からドロボーが入るケースは少なく、死角になっている『裏の窓』から侵入されるケースが多いのですが、マンションの場合は、玄関さえ固めてしまえば、ある程度安心できますものね。

それと、新規分譲の場合は、入居される方々の多くが30歳代前後で、一斉にヨーイドンで住み始めるので、『後から引っ越して来た よそ者感』がないのが大きな安心材料にもなります。
ママやお子さんの公園デビューも気楽ですし、お子さんも友達が出来やすいのもいいですね。
(ちなみに、新規分譲の宅地も同じことが言えます。)

逆にデメリットは?
うちの場合がそうだったのですが、戸建て住宅と違って、下の階には、他人さんがお住まいされているので、子供達が、家の中で元気に跳んだり跳ねたりすると、叱らないといけないのが可哀想でした。子供って、歩きませんもんね。狭い家の中でも何故か走りよりますものね。

と、情緒的なお話に終始してしまいましたが…。

あと、以前にお話したように、市街地でもなく、利便性も良くないマンションや建売り住宅は、真っ先に資産価値がなくなること。自分たちで『住みつぶす』のなら問題はないのですが、将来的に転売を考えているのであれば、私はお勧めしていません。



【建売り住宅】

私が思う、建売住宅の一番の特徴は、価格設定の仕組みです。

注文住宅の価格設定の考え方は、材料費と工事費(手間賃)に利益を乗せて、価格を決めます。『足し算の価格設定』ですね。
もちろんコストダウンには常に努力をしているのですが、建売り住宅に比べて価格が高い理由の一因になっていることは否定できません。その分逆に、無理なコストダウンをしないから、品質も比較的安定している、ということが言えます。

一方、建売り住宅の場合は、少しニュアンスが変わってきます。
いちばん大きな特徴は、建売り住宅は、相場によって先に価格が決まってくるということ。
つまり、販売価格が先にあって、まず利益を確保したうえで、土地代と材料費と工事費がその価格内に納まるかどうかを計算する、『引き算の価格設定』 といえます。

土地が安く仕入れできた場合や安く仕入れできるノウハウを持っている会社はまだいいのですが、そんなケースばかりではありません。
ですので、少々高い土地であっても、無理を承知で仕入れることになります。
このような場合、土地の原価が高かった訳ですから、利益か、材料費か、工事費のいずれか、あるいはその全てを下げなければ相場=「売れる販売価格」なりません。

ここで、心ある業者さんは、利益から下げていくのですが、そうじゃない業者さんは、どうでしょう?

あくまでも自社の利益は確保した上で、材料費と工事費を下げようとします。材料費の中でも、キッチンやお風呂、内装などの目に見える部分を落とすと、売りにくくなるので、そこはグレードを落とせません。目に見えない部分を削っていくことになるのです。
次に、工事費(大工さんや、他の職人さん達の手間賃)を更に落とすことになります。
工事費を落とすと、どうなるか?は、『値段の安い家の理由』(パターンその2)でご説明しましたね。

もちろん、全ての建売り業者さんが、そんなムチャをする訳ではありません。現に誠意と誇りを持って仕事をされている業者さんも知っています。
知っていますが、そうじゃない業者さんも確かに多数存在します。

そう云ってしまうと、建売り住宅に限ったことではなく、注文住宅も同じことになってしまいますが、ただ、 現実的に注文住宅に比べて、建売り住宅は安い。その価格差分の覚悟が必要だということなのです。



【建築条件付宅地分譲】

『建築条件付き宅地分譲』とは、宅地を購入する際、「この土地では、決まった建築業者で建てて頂きますよ!」という、“家を建てるにあたっての条件”が付いてくるというものです。
つまり、「自分が買った土地なのに、自分の好きな住宅屋で建てることが出来ない土地」というワケですね。

このホームページの『ご質問のコーナー』で最もよく頂くご質問(お悩み?)のひとつに、『建築条件付き宅地分譲』の土地を買って、建物の打合せをされている方々から、「業者から、こんなエエカゲンな対応をされているのですが、どう思いますっ!!?コレって普通ですかっ!?」って感じで、文面から“プンプン”怒ってらっしゃるお顔が想像できるようなご相談をよく頂きます。

お気持ち よ〜く分かります。
購入される方々は、たとえ『建築条件付き』であっても、建築業者が指定されているだけであって、建物はあくまでも“自由設計”なのだから、ご自分たちの理想に近い建物が建って当たり前だし、その“指定された建築業者さん”もその理想に向かって一緒にがんばってくれるものだと思いますよね?

しかし、そこに落とし穴があるのです。

業者さん側の主張(?)としては、分譲地全体の土地購入に関して、そもそもリスクを負っている代わりに、その土地を購入されたお客様は、建物の設計以前に『土地の魅力』(立地条件、環境、価格etc.)でその土地を購入してはるんですから、建物に関しては純粋な自由設計のような手間はかけられまへんで、と。

つまり、「土地は安く提供する代わりに、家を建てる時にはあんまり手間をかけずにしっかり儲けさせて頂きます!」てな感じなのです。
で、「それが嫌なら買ってくれなくてもいい」と、なってしまうワケです。

逆に、お客様が建築条件の付いていない土地を用意している場合、建築業者さんには土地の値段や儲けは全く関係ないので、純粋に設計やデザイン、価格などの提案力や対応力での勝負となるワケです。
とーぜん、お客様も『納得がいった』状態で業者さんと契約しますから、上記にような“ガッカリ”や“何でやねん!”は少ないのです。

また、『建築条件付き』の場合、建物の価格にも注意が必要です。

業者さん側としては、《土地価格+建物価格》ひっくるめて、その中から利益を確保します。
でも、土地価格を高く設定するとトーゼン売り難くなりますので、土地の値段は“ベタベタ”(利益なし)で、『建物で利益を稼ぐ』パターンが一般的なのです。

と、いうことは……、

『建築条件付の建物の値段は、一般的な建物の建築費よりも高い』

ということになります。

ココにも落とし穴があるのです。

家のお勉強をされている方ほど、「それだけの坪単価の家なら、大手ハウスメーカーの中高級商品でも建てられるのに、そんな貧相な家しか建たないのっ!?」と、なってしまうのです。

と、まあ『条件付』の悪いところばかりを紹介しましたが、決して、『条件付』=悪い ということではありません。

『条件付』の仕組みを充分に理解した上で、買う、買わないの判断をして下さいね。ということです。
お買い得な『条件付』の物件もたくさんあるのですから。


《まとめ》

『建築条件付き宅地』を購入される場合は、

(1)設計やデザイン、仕様などの許容範囲を確認する。
(2)土地価格+建物価梶i(仕様など充分に確認する)=安い?高い?を判断する。
(3)純粋な注文住宅のような対応は望めない。

ということを、しっかり頭においてください。

と、私も今、改めて読み返してみましたが、ケッコウ過激なことを書いてしまいました。(^-^;
この原稿を書いた時は、お悩みメールを頂いた方々の怒りが、完全に乗り移っていたようです。
実は、ウチの会社でもこの『条件付宅地分譲』をいくつか販売しているのですが、この原稿をHPにアップしたときに、上司から「今回はちょっと過激やったなあ」と笑いながら言われたのを思い出しました。フトコロの深い上司と、自分の仕事と良心に自信を持っている仲間たちに感謝。です。

次回は、ニ世帯住宅についてお話します。

 



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