資金計画 その2 マイホーム側から見た予算(現実予算)02


前回の続きです。

(2)付帯工事費

これは、家を『住める状態』にするために必要な工事費です。
ただ、先に説明した通り、建築地の状態によって、この工事費は大きく変わることも多いので、大雑把な目安として参考にしてみてください。

まずは、順番に項目ごとに、ザックリとご説明しますね。


■給排水本管引き込み工事(0〜100万円)⇒場合によって必要になります。
土地があって、前に道路がある。当然ですね。
通常は、その前面道路に水道本管と下水本管が埋設されているのですが、それらの本管から分岐させて、各土地に『引込み』がされています。
それらの『引込み』がされていない場合や、引込みがされていても、その“引込み管”が、古かったり、細かったりした場合は、引込み替え工事が必要になります。(それなりに新しくて太い、引込みがされていれば、費用は掛かりません。)
引き込み工事は、前の道路を掘って、“引込み管”を入れて(入れ替えて)、アスファルトを敷き直す工事になります。

★給水引込み管の引込み(引込み替え)だけなら、40〜70万円程度が目安。
下水の引込みも併せて必要なら、さらに30万円程度プラスされます。


上水道も下水道も管理者が公共ですので、『引込み』の工事費は、受益者負担といって、個人負担になります。


■屋外給排水工事(50〜90万円)⇒必ず必要になります。
敷地内で屋外の給水・排水の配管工事(パイプと会所マス)のことです。家の中の水廻りの数が多ければ、会所マスの数が増えますし、家が大きかったり、道路(給水メーターの位置)から、建物が遠かったり、道路との高低差があったりするとパイプが長くなるので、工事費は高くなります。

★工事費は50〜90万円程度です。


■屋外ガス工事(20〜30万円)⇒必ず必要になります。
これも敷地内、屋外のガス配管工事です。

★2世帯でなければ、ほぼ20万円程度です。


■屋外電気引き込み工事(0〜30万円)⇒場合によって必要になります。
電気の引込み工事のことですが、建物の外壁に直接引込む場合は、電力会社さんのサービス工事になるので0円ですが、道路から検針できる目立つ位置の外壁に直接、電気メーターのボックスをポコッと取り付けないといけないので、その『ポコッ』が気になるか、ならないかですね。
気になる方は、敷地内の道路際の隅に、中継ポールを立てて、そのポールで引込みを受け、ポールから建物までは地中埋設配線で電気を引込む工事をします。
あと、大きな敷地で、道路から見て奥の方に家を建てる場合や、旗地(専用通路付の土地)も、引込みの電線が長くなってしまって、台風のときなんか危ないので、中継ポールを立てます。

工事費は、外壁に直接引込む場合は、0円、中継ポールを立てる場合は、20〜30万円程度です。


■浄化槽工事(0〜100万円)⇒下水が通っていない地域で必要になります。
新たに土地を買われる場合は、下水が通っているのか?は、要チェックです。
下水が通っていないと、この浄化槽工事が別に必要になります。
ちなみに、この浄化槽も設置できない地域もありますが、その場合は、『汲み取り便所』になります。
数年前から、『合併浄化槽』といって、汚水(トイレの排水)だけではなく、雑排水(生活排水)も浄化してから放流するように義務づけられました。
浄化槽自体の価格は高くなりましたが、反面、その地域の川の水がきれいになっていくので、歓迎すべきことだと思います。

建物の面積や、水廻りの数によって、浄化能力を決められてしまうため家が大きかったり、2世帯の場合は費用が高くなります。60〜100万円

あと、地域によっては、水利組合というところから、『放流同意金』という名目で、権利金みたいなものを請求されるケースもあるようです。


■地盤改良工事・基礎補強工事(0〜200万円)⇒地盤が弱い場合に必要になります。
建物の大きさ・形・配置が決まったら、それに合わせて通常5ポイント(建物の四隅と真ん中)で、地盤の強度を測ります。これが、地耐力調査とか、地盤調査と言われるものです。
この地耐力調査の結果、「地盤は強かったですよ」となれば、標準の基礎でも心配ないので、費用は掛かりません。が、「地盤が少し弱かったですね」となった場合には、基礎を補強します。また、「地盤が大変弱かったのです」の場合は、地盤改良工事が必要になります。

工事費は建物の大きさによりますが、1階の床面積が20坪程度の場合。 基礎補強で40〜50万円。地盤改良で80〜120万円程度です。
ただ、「地盤があり得ないぐらい弱かったです」というケースがタマにあるのですが(もともと池や田んぼだった場合が多いです)その場合は200万円を超えるケースもあります。


これはもう、正直“フタを開けてみなければワカラナイ”世界です。
ちなみに私が仕事をしている関西では約4割が軟弱地盤だと言われています。
ですので、私はいつもお客様にこのように申し上げています。
「地盤の強度が強ければラッキーぐらいのおつもりで、最初から地盤改良の費用として、100万円程度の予算取りをしておきましょうね。」と。
(※参照:家づくりの基本・第22話「根拠のない大丈夫〜地盤調査の話」


■造成工事(0〜???万円)⇒場合によって必要になります。
ひと言で言うと、地面(土)を触る工事は高いのです。
費用のことだけを考えると、建築地はお隣さんや道路との高低差のない平坦な土地が安上がりになりますが、そうそうウマくはいきませんよね。
住宅の造成工事は、一般的に、『土のスキ取り』『盛土』『ヨウ壁』の3つになります。

先ず、スキ取り工事。簡単に云いますと、土を掘って捨てる工事のことです。
例えば、道路よりも土地が高い場合などに、ガレージやアプローチ(門から玄関までの階段)部分の土を掘って捨てないといけないですね。
この処分費用も含めた工事費用のことを云います。
☆工事費は、このスキ取り工事だけを単独でする場合がほとんどないので、ご説明するのは難しいのですが、1立方メートル(1m3)あたり1万円ぐらいのイメージですかね。(う〜〜ん。どうかな?処分する量によってもう少し・・・・)

次に、盛り土工事(客土とも云いますが)。スキ取りとは反対に、よそから土を持ってきて埋める工事ですね。
これは、イメージしやすいですよね?
地盤の高さを上げたいときに、する工事ですね。
ただ、土だけを埋めて、上から押し固めても、必ず地盤が下がっていきますので、凝固剤というモノを混ぜて埋めるケースが多いようです。
☆工事費は、スキ取り工事と同じようなイメージです。

最後に、ヨウ壁工事。コレが要チェック!です。
隣地や道路と高低差がある場合に、高い方の土地の地盤が崩れないように(小さな土砂崩れのイメージですね)鉄筋コンクリートなどの壁を作る工事です。
この土留めの壁を『ヨウ壁』といいます。
☆工事費は、高さが1mのヨウ壁で、1mあたり7万円ぐらいのイメージですかね。ヨウ壁の高さによって、その金額は変わります。

さらに要注意なのは、既に古いヨウ壁がある場合です。
(石積みやブロック積みなどのケースが多いのですが)
古かろうがナンだろうが、そのヨウ壁が既にあるのですから、それでOK!とフツー思いますよね?しかし、ダメなケースも多いのです。
理由はそのヨウ壁の強度が確認できないから。です。
『強度が弱いから』ではなく『確認できないから』になります。
「確認できないって、確認してよっ!」って感じですよね。
しかし残念ながら、既存ヨウ壁を解体して新たにヨウ壁を新設せねばなりません。ヨウ壁費用プラス解体費用ですね。
状況によっては、ヨウ壁をやり替えずに、建物を“地中杭”で支えて、古いヨウ壁に圧力を掛けない方法もあります。
高低差の高い土地なら、ヨウ壁費用も莫大になりますので、“地中杭”の方が、工事費は安くなりますが、現実問題として、ヨウ壁が古い場合、その強度は重要ですので、十分な検討が必要になります。
(※参照:価格の秘訣・第話「おいおい、そんな予算は考えてないぞ!」

※この造成工事に関しても、他の項目同様に工事費の一応の目安をご説明しましたが、実はあまり自信がありません。 土の処分や、客土みたいな工事は、一応の単価はありますが、その実、トラック一杯でナンボ!みたいな土木工事の範囲なので・・・・
意外に高いぞ!ぐらいの感覚で、あまり当てにしないでください。


■外構工事(60万円〜???)⇒ほぼ必要になります。
門柱(表札・インターホン・ポスト)や門扉、塀(フェンス)、ガレージなどの屋外敷地内の諸々の工事のことです。先にご紹介した造成工事もこの項目に含めて見積りをすることが多いようです。

最近は防犯面や費用面を考慮されて、道路側に仕切りをしないオープン外構が多くなっています。
この外構工事は他の付帯工事と異なって、デザインや防犯、その他考慮しなといけない点が多々ありますので、別の機会にじっくりご説明しますね。

費用的には、30坪程度の平坦な土地でオープン外構プランで、60万円程度ですが、あとは……う〜〜ん……ナンともご説明のしようが……
これも別の機会にじっくりと。


それと、この外構工事は建物と別物と考えて、住宅屋さんとは分けて、別の安い外構業者さんに頼むこともできます。


■解体工事費(100万円〜???)⇒古家などが建っている場合必要になります。
数年前に比べると、この解体工事の費用は、1.5倍ぐらいに値上がりしているイメージです。
理由は、平成14年に建設リサイクル法というのが施行されて、廃材を捨てるのに、分別して、それぞれの処分場に持って行くことが義務付けられたからなのですね。
それと、ご存知のアスベスト(石綿)問題。これが、住宅の場合も瓦として、使われていたのですが、この石綿スレートが屋根に使われている家を解体する場合は、職人さんが屋根に登って、一枚一枚を手バラシすることになります。
こうなると、工事期間も手バラシや分別に時間を取られて、今までは10日程度で終わっていた工事も、2倍の20日程度かかるようになりました。
ソレやコレやで費用は、約1.5倍。
法以前はザックリ120万円程度だったのが、今は180万円というイメージです。

余談ですが、巷で、ちょくちょく噂を耳にするのですが、上記金額の半額程度で工事をされる解体業者さんもあるようです。勝手な想像ですが、石綿スレートの手バラシや、分別処理をしていない(違法投棄)のではないか?と秘かに思っています。
もし、そんな乱暴なことをされていれば、この法律では、その責任が、『依頼主=あなた』に廻ってきますので怖いですよね。
例えば、石綿スレートを手バラシせずに、重機でガバガバ壊されて、ご近所さんに「石綿が飛散して、吸い込んだので20年後に肺気腫が発症したら賠償して下さいね」
てなことを言われてしまったら・・・・・・(キャ〜〜)・・・失礼しました。

でも、お気持ちはホント良く分かるんですよ。
例えばキッチンをいいヤツに変えたいから、お金を出すのは納得できても、家を壊して、捨てて、最後に更地にする工事なのですから、絶対安いに越したことはないですよね。でも・・・・ねえ?

解体工事の費用は、35坪の木造の家で、しかもスレート屋根の場合、概ね180万円程度
あと、塀とか土間とか物置とかは別途工事費がかかってきます。


この解体工事も外構工事同様に住宅屋さんとは別の解体業者さんに頼むことも出来ます。


■小運搬、狭所作業(0〜???万円)⇒建築地によって必要になります。
前面道路が狭すぎて、建築資材を搬入する車が入れないとか、道路との高低差があって、資材をヨイショっと荷上げしなくちゃいけない土地に家を建てる場合に必要になるのが『小運搬費用』です。

『足場』ってご存知ですよね?
そうです、アレです。あの建物のぐるりに立ってる銀色の鉄パイプの骨組みのアレですね。 えっ? 丸太棒? ははっ 最近は使いませんよ。
さて、土地の境界ギリギリまで建物を建てる場合、この足場を立てるとお隣さんに越境してしまうでしょ。さすがに越境はぐあい悪いので、そんな場合は、足場を立てずに『建て起こし』という方法で家を建てます。
その追加費用を『狭所作業費用』といいます。

これらの費用は業者さんによって、見積り基準がバラバラですから、費用の目安はご説明しませんが、必要な場合は業者さんにお尋ねください。


■設計費用・建築確認申請(50〜100万円)⇒必ず必要になります。
設計費用とは、数十枚の実施設計図面(家を作る為の図面)の製図を下請けの設計事務所さんにお願いするのですが、その事務所さんに支払う費用です。
建築確認申請の費用も同じように事務所さんの手数料と、行政に支払う手数料の合計です。
この設計費用・建築確認申請の手数料も業者さんによって金額はマチマチです。
要は、本体価格に含むか、こうして設計費として外に出すか違いがある訳ですね。傾向としては、必要な図面の枚数の違いか?注文住宅系が高く、プレハブ系が安いイメージはあります。
ご参考までに、ここでは我が社の費用をご紹介しておきますね。

設計費用は、本体価格に連動します。35万円〜
建築確認申請費用は20万円。

あと、3階建ての場合は、詳細構造計算費用が必要になりまして40万円。地域によって、その他の申請が必要な場合は、別に費用が掛かります。


■測量・地盤調査費用(8〜15万円)⇒必ず必要になります。
これも測量会社さんや、地耐力調査会社さんに支払う費用です。
合計で10万円前後ぐらいの金額が多いですかね。



以上が付帯工事でした。
さて、この付帯工事の見積り金額というのも、実は業者さんによって、違うことがよくあります。
以前に『安い家の理由のパターンその2』でお話したように本体価格を下げて、付帯工事でムチャな利益を稼ぐ業者さんは、論外ですが、その逆に付帯工事の利益を本体価格のほうに移しているパターンもよくあります。つまり会社によって、設定している利益率が違うのが、理由その1です。
これはもう、ある程度仕方がないと思います。アッチもあの手この手で攻めてきます。重要なのは、総額で最終いくらになるのか?です。

次に、理由その2ですが、これは、単純に『手が悪い』パターンですね。
解体工事のところでも少し触れましたが、『安い家の理由のパターンその3』と同じですね。
ですので、相見積りを取られたときに、突出して高い見積りもアレですが、特に安い見積りもナニですので、気をつけてくださいね。


次回へ続く



資金計画 その2 マイホーム側から見た予算(現実予算)


【資金計画 その1】 【その2】 【その3】


いい家づくりのツボ!「実践編」のTOPへ
▲このページのTOPへ


Copyright 2007- 大阪ガス住宅設備 後悔しない家づくり実践研究会/大阪 All Rights Reserved.