資金計画 その2 マイホーム側から見た予算(現実予算)04


前回の続きです。

(3)その他必要な費用

現実問題として、この「その他費用」に至っては、営業マンに「お客さん側でテキトーに考えておいて下さいね」と、全く無視される場合がほとんどですので、ここでしっかり考えておきましょうね。


■火災保険・地震保険

火災保険は、住宅の防火性能に応じて、掛け金の料率が変わります。
火災に強い家は火災保険も安いという仕組みになっているのですね。
在来木造建築に比べて、ツーバイフォーやプレハブは火災保険の料率が55%程度に設定されていますので、火災保険のことを考えるとお得になります。
この火災保険も35年分一括払いと、1年から数年の短期払いのパターンがあります。

さて、火災保険の掛け金ですが、家の価格が2000万円として、35年一括払いで、ツーバイ、プレハブでおおよそ45万円。在来木造でおおよそ83万円。 5年分払いなら、ツーバイ、プレハブが約8万円で、在来木造が約16万円。但し、火災保険もプラン(補償範囲)によって、掛け金も変わりますので、補償内容と金額を良く確認しておきましょう。

次に地震保険ですが、これは、火災保険に比べて掛け金が、随分と高くなります。また、補償金額も家の価格の半額までになってしまいます。 地震保険料は、長期一括はなくて、家の価格が2000万円とすると、補償金額は半分の1000万円になりますが、その掛け金は5年分で約9万円。



■エアコン
まずは、今あなたが使っているエアコンを何台持っていくのか?
で、足りない分を購入することになりますが、このエアコンというのは、機能やエネルギー効率が年々向上するので、例えば、お子さんがまだ小さくて、子供部屋を使うのは5年後になる。みたいな場合なら、部屋を使うときに購入された方が良いですよね。

さて、予算取りの目安ですが、個室用で1台7万円。リビング・ダイニング用の大型で15〜20万円ぐらいでしょうか。

余談になりますが、このエアコンというのが、設計面で意外にクセモノになるのです。
そうです。アノ『室外機』がクセモノになるのですね。
室内機1〜4台に対して室外機が1台のマルチタイプの商品もありますが、残念ながら価格が高いのですね。なので、フツーは、部屋の数だけエアコンの室外機を外部に置くことになるのですが、見栄えの良い物じゃないので、少なくともアプローチ(門から玄関までの通路)や家の正面には出来ることなら置きたくない。ですよね?
それと、冷媒配管! 外壁にビヨ〜ンと這っているアノ外部配管も気になりますよね?これは、隠蔽(インペイ)配管といって、壁の中に配管することも出来ますが、工事費は少し高くなります。

つまり、このエアコン計画のことも良く考慮して設計すべきなのですが、現実は、それよりも優先して考慮すべきことが多いので、なかなかそこまで気がまわらないことも多いのです。
ただ、ハナから全く意識すらしていない設計マンも実際には多いので、あなたの方でご注意をされる必要があるかもしれません。情けない話ですが・・・


■照明器具
業者さんによっては、玄関・廊下・階段・トイレ・洗面などの居室以外の照明器具を標準仕様として搭載されている場合もありますが、照明器具は一切付けていない業者さんも多いようです。 (ちなみに、弊社も室内デザインを統一できない、という理由で標準設定はしていません。)

費用の目安は・・・・う〜〜ん・・・・難しいですね。
大型電気店などを覗けば、1つ8千円ぐらいで立派な照明器具を売ってますよね。そのラインで計算すると(全部新しく買い換えるとして) 4LDKの場合、居室4部屋で3.2万円、リビングとダイニングとキッチンの3ヶ所で5万円、居室以外が15万円・・・・合計24万円。このあたりが最低の予算になりますかね。


あとは、室内デザインに合わせて、照明計画を提案させて頂いていますが、例えばスッキリ系のインテリアなら1階はダウンライト(天井埋め込み照明)だけで、照明計画をご提案することも増えています。その場合で、照明器具全部で40〜50万円になることもあります。


■カーテン
一昔前はダブルのカーテンレールを標準で付けていた業者さんも多かったようですが、最近はカーテンのデザインが多様化したので、カーテンレールを付いていない業者さんがほとんどだと思います。

皆さん2階の個室は、数千円の既製品を吊られるパターンが多いようです。小窓はロールスクリーンかブラインド、あるいは“すりガラス”にして何も吊らない、といったパターンも。
1階は、リビング、ダイニング、それと最近は、和室も障子をやめて和風の商品を選ばれるケースが圧倒的に多くなってきました。

さて、費用の目安ですが、 おおむね20万円から という感じでしょうかね。


■引越し・仮住まい
お引越しは、皆さんも既に1度はご経験されていらっしゃいますよね。

近場(半日引越し)の引越しで約10万円。遠方(1日引越し)で約20万円程度。値段か高くなる春や夏休み、年末などの引越しシーズンを避けるというのも一手です。

また、建替えの折に、家具などの『一時保管』のことについて良くご質問を頂きます。基本的には引越し屋さんに聞いて頂くことになりますが、その『一時保管』を利用するよりも、仮住まいの間取りを少し広いめにされて、1部屋を納戸として使われた方が、どうもお安く上がるみたいですね。

次に、建替えの場合は、仮住まいが必要になります。
この仮住まい費用が、バカにできなのです。
仮住まいの期間は、通常4〜6ヶ月ぐらいですが、このチョー短期間の賃貸でも敷金が必要になるケースがほとんどなのです。

関西の場合、 敷金の相場は15〜40万円。家賃が月10万円として掛ける5ヶ月として50万円。で、合計65〜90万円。

お建替えの場合は、引越し・仮住まいで、100万円程度必要になる。ということですね。

ちなみに、自治会長さんなんかに尋ねて頂くと、その地域で『仮住まい専用の古い家』なんかがあるケースも多いので、もし宜しければ一度試して下さい。


■家具・家電
さすがに、コレはご説明するまでもありませんね。あなたが求めるグレードによって。


■セキュリティー
世の中どんどん物騒になっていきますので、これも必要な方は別予算が必要になりますね。
一般的には、ココでいうセキュリティーシステムまでは、ご採用が少なく、サッシのシャッターや面格子、あるいはガラスを防犯ガラスに替えられたりして対応する場合が多いようですね。
(※参照:価格の秘訣・第19話「安心・安全な家づくり“防犯”のこと」
(※参照:価格の秘訣・第19話「防犯のポイントあれこれ」
(※参照:よもやま0507「防犯ガラス」


■準防火仕様
これは、あまりお耳馴染みのない単語ですが、地域によって、『準防火地域』とか、『防火地域』など、防火面で特に規制を設けている地域があります。基本的には市街地に多く設定されています。(市役所などで尋ねて頂くと、教えてくれます。)
建物が密集していると、1件が火事になると、ブア〜と延焼する恐れがあるからですね。
建築地が『防火地域』内の場合、住宅を建てるのは、それはそれは厳しい規制がありますが、そんな地域で住宅を建てられる方も、これまた少ないので、ここでは、『防火地域』ご説明は省かせていただきますね。

さて『準防火地域』です。
このエリアに家を建てさせて頂くことは、間々あります。3階建ての場合が多いですね。
この『準防火地域』内に家を建てる場合は(簡単に言いますと)火災時にガラスの飛散を防ぐ為にサッシのガラスを網入りにしたり、換気扇を防火仕様にしたりと、諸々コストアップに繋がります。

その費用は、ザックリと 坪単価で1万円 アップ。ぐらいのイメージです。


■地鎮祭・上棟式
最近は、この地鎮祭や上棟式をされる方が、どんどん少なくなってきています。
この地鎮祭・上棟式に関しては以前にお話をしたことがあるので、そちらをご参考にして下さいませ。
(※参照:家づくりの基本・第20話「した方がイイ?しなくてもイイ?地鎮祭」
(※参照:家づくりの基本第20話「した方がイイ?しなくてもイイ?上棟式・ご祝儀・お茶だし」


■(番外)消費税
おっと!危うく忘れるところでしたっ!
家は、その金額が金額だけに消費税といっても、その域を超えてますよね。
5%ですから、家が仮に2000万円として、その消費税は100万円!
う〜〜ん・・・・・

ちなみに土地や、古家付の土地には、消費税は加算されませんので。




以上が、『注文住宅の総額』でした。
いかがでしたか?・・・・・そうですよね。いかがもナニもないですよね?
こんな現実なんて、知りたくなかった。って感じですよね?
悲しいお知らせですが、これが現実なのです。

家計側から見た『希望予算』と、この『総額=現実予算』の間の『ジレンマゾーン』を埋める作業がいかに大変かご理解頂けましたでしょうか?

皆さんがもし、この現実をマイホーム計画の後半戦で知ることになって、その時に「私達の膨らみすぎた夢と希望は誰が責任取ってくれるよっ!」てことにならないよう、こうして初期に知っておいて頂くことによって、『後悔しない家づくり』『楽しい家づくり』を実践されること信じて、今回、思い切ってお話をさせて頂きました。

正直、通常営業マンは、ココまで、無条件に手の内を全て見せることはしません。
なぜなら、お客さんが“引いてしまわれる”からです。まじめなお話。
お客さんの夢と希望を一気に潰さない?ように『別途』とか『保留』とか『調査後』などももっともらしい理由を付けて、小出し、小出しに、少しずつご予算を引き上げていきます。結果、外構工事や、インテリアに廻す予算が残らない。

ヒドイ例をご紹介すると、こういうケースもあります。
建替えの場合、地耐力調査をするのは、解体工事完了後になりますが、最初の見積書の説明のときに、営業マンは「もし万が一ですよ、仮に最悪の場合はですよ」と、宝くじに当たる確率さながらの勢い?で「地盤改良の費用が別途必要になります」とチラッと説明をしたきりで、地盤改良は必要ない前提で仕様の打合せなどを進めます。

結果、地盤は弱かった・・・100万円アップ。
ギリギリの予算で照明やカーテンやダイニングテーブルを買うつもりで残しておいたお金が・・・・・普通の神経なら、この時点で本来楽しいはずの家づくりが、もう台無しになりますよね。
こうならないように、予算内でのコストコントールが非常に重要なのですね。

今回ご説明している資金計画の奥義は『逆算』です。
つまり、予算から、本体価格以外の費用(付帯工事・諸費用・その他費用)を先に引き算して、残った予算が本体価格。

《予算−本体価格以外の費用=本体価格》

こうして本体価格の予算が明確になれば、すでに、希望する家の坪数は出ているのですから(山田さんの家族会議のアレですね)割り算すれば、『あなたの家の坪単価』が自動的に出てくるという寸法です。

《本体価格÷坪数=坪単価》

そうなると、今後検討する住宅会社の価格帯もある程度『狙い撃ち』できますね。無駄な時間や労力を使わなくてもすむ訳です。

なぜ、こんな話をさせて頂くかと云うと、注文住宅を1棟建てるという作業はご想像以上に本当にホントに大変なのです。
アッチ(住宅会社)も必死に攻めてきます。ましてアッチが複数になると・・・・
時間を無駄にするぐらいなら良いのかもしれませんが、気力を無駄遣いして、一番大事なところ(住宅屋さんを決めた後の具体的な打ち合わせ)では、既に精魂尽き果ててしまって、ヘロヘロ状態。そんな方も少なくないのです。

大好きな連続ドラマの最終回だけを居眠りして見過ごしてしまった。しかも、番組が始まる前にウトウトしてしまったので、録画もできなかった、ぐらいの悔しさです。(なんのこっちゃ)

最後に、『後悔しない家づくり』&『楽しい家づくり』を実現する為には、『資金計画』がいちばん大切なのです。
この現実から、決して目を逸らしたり、「見なかったことにしよう」では、イケナイのです。




次回は、《資金計画その3》住宅ローンの解説 についてお話します。


資金計画 その2 マイホーム側から見た予算(現実予算)


【資金計画 その1】 【その2】 【その3】


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