最近、お客さまと接していてよく感じることは、「勉強しすぎ!」ということです。
いえいえ、家づくりの勉強をすることは大切ですし、家づくりに関する最低限の知識を知っておくことはとても重要なことだと思います。
でも、私たちがいつも感じるのは、「もったいないなぁ」ということ。何がもったいないのかというと……。お客さんが自分で答えを出してしまっちゃうことなのです。
つまり、お客さんはお客さんで自分なりにあれこれ勉強してできる限りの知識を吸収する。ここで、色んな知識で頭が一杯になってしまいます。で、私たちが家のプランに取りかかるまでに、「リビングは、十帖しか取れないだろうなぁ」とか、「ウオークインクローゼットなんてダメだろうなぁ」とか、実は、お客さんの方が先に自分の頭の中で「こんなもんだろうなぁ」などと勝手に決めつけてしまっていることが多いのです。このように端っからあきらめた状態でスタートすると「どうすればできるだろうか?」「こうはできないだろうか?」という工夫や選択の余地は確実に狭くなってしまうのです。私がもったいないなぁと思うのはこういうことなのです。
聞き上手になること。ポイントはココです。
自分で本やインターネットで調べたり、勉強した知識は、一旦胸の中に置いておいて、何―んにも知らない顔して、設計士さんや営業の担当者に色んな話を聞くのです。
特に、私のような話好きは、お客さんに「ふん、ふん」と話を聞いてもらえると、本当に何でもお話しちゃいます。
また少なくとも私たちは、お客さんよりも「家づくりの経験」は多いはずです。お客さまが、仮に親や親戚を含めいくつかの家づくりに携わって来たとしても少なくとも私たちの経験の方がずーっと多いはずです。だとすれば、設計者は、あなたが「無理だろうなぁ」と勝手に決めつけていたことに対する別の答えを持っているかも知れない。それを引き出さないともったいない。もちろん考えに考えた結果、「確かに無
理ですね」という場合もありますが、一度試してみない手はない。また、「いや、こうすることで、お客さんの考えていることを実現できます」というあなたが想像もしなかった答えが返ってくることもきっとあるはずです。
設計者はプロなのですから、答えはプロに出させればいいのです! ムツカシーイ課題を山積みにした宿題として!
ついでに、設計者という生き物について、もうひとつ。
ことあるごとに「コレって無理だよねぇ。できればココだけはこうしたいんだけどなぁ。無理だよねぇ。ねぇ、ねぇ」と言ってみる。
特に私の場合、この「無理」という言葉に、「ム、ム、無理ぃ? そんなことないはずやぁ!よっしゃ何とかしてやろやないかぁ!」と密かに心の中でなぜか関西弁で反応してしまうのです。
つまりこういうことです。多かれ少なかれ設計者という人種は、どうしようもない問題点を解決するということに何らかの快感を覚える「ある種自虐的性質を持った生き物」なのでアリマス。
この仕事はそうでなければできないはずです。だって決まった敷地の中に、「あれも欲しい、それも入れたい、ここはこーでなきゃイヤだぁ〜!」等々、それこそ山のような「相反ス絶対矛盾的且ツ我侭的要素」を消化して組み立てていくのが仕事なのですから。
と、ここまでお話をして我に返ると、ふと営業担当者と上司の顔が浮かんで来てしまった・・・。やっぱり、ジ、ジ、自分の首を絞めている?
で、正直にここまで白状したのですから「無理」はイイですが、あまり「無茶」は言わないでくださいね。
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