第三話 あなたの夢を満たした家=理想の家、ナラズ

数字の話が出ましたので、ちょっと視点を変えて、ついでにもひとつ。
先の項でお話した、あなたの「やっぱりリビングはやっぱり十帖は欲しい」とか、「廊下の幅は、最低一メートルは取りたいなぁ」などの要望に対する担当者の対応。

さて、あなたがこのような要望を口にした時、担当者はどう対応するか?
この対応をみることで、任せて安心かどうかのひとつの判断ができちゃうのです。
まず多くの住宅会社の担当者はこういう反応を示すハズです。
「わかりました! お任せください!」と頼もしく胸をドンとひとつ叩く。
しかも、次の打合せで提案された設計図には、これらの要望がちゃーんと盛り込まれている。
安心ですねー!ホントに頼もしいですね!

もうおわかりですよね? コレじゃダメだってこと。もう一度おさらいしますね。
作り手、つまり設計する側にとって、お客さまの要望を「そのまんま」図面にすることは、決してムツカシイことではないのです。
ヘンな言い方ですが、図面には入るのです。でもそれは実際に「快適に使えるか」どうかとはまったく別の話なのです。
例えば、「新しい家を建てたら、対面キッチンにして家族みんなの笑顔を見ながらお料理をしたい!」という場合。
それは、家族想いのやさしいお母さんの夢です。
「ハイハイ、わかりました。お任せください」。ということで後日持参された設計図には、あなたの希望通り、ちゃーんと「理想の対面キッチン」になっている。

かくして「対面キッチンが付いた、お母さんの理想の家」は完成!
ところがいざ使い始めてみると、調理するスペースがあまりにも狭くて身動きがとれない。結果あたふた料理をするはめになって、リビングでテレビゲームに熱中している子どもたちの顔さえ見えない……、なんてことが現実にあるのです。

ここで大切なのは、「対面キッチンを作ること」ではなくて、「家族みんなの笑顔を見ながら料理をしたい」ということ。
それをはき違えている。というのならまだしも、わかっていても気づかないふりをして、お客さんが言うままのプランを作ってしまうからタチが悪い。
このことを、知っていて見過ごす設計者や営業マンの何と多いことか!
なぜなら、彼らにとっては、お客さんの希望をハイハイと聞いている方が楽なのですから。実際に家が出来上がって、当然のように「使いづらい」ということになっても、担当者は「お客さまのご要望通りにしましたよ」と責任回避。また、お客さんは「自分が決めたのだから仕方がないなぁ」とあきらめ顔。
まったく、おかしな話ですよね。
でも、少なくないのですこんなケース。というか、かなり多くの住宅会社では当たり前のように、まかり通ってるのです。
と、こんなことまで書いちゃうと、必ず文句を言う人が出てくる。
「なんて事を言うンだ!ウチはそんなことやってないぞ!コラッ!」と。
でも、こんなことやってないのなら怒ることもないですよね?



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