住宅会社のテレビCMや新聞広告、カタログなどを見ると必ず出て来るのが「○○
シリーズ」といった標準となるプランのイメージ図や図面。そして普通はそのほとん
どが「自由設計」となっているはずです。
「注文住宅なんやから、そんなモン当たり前やがな!」と関西弁で突っ込まれそうですが・・・。
でも現実は、どうか?
「自由設計」というのは、あなたの土地があって、その上に0から、まさにあなた
の思う通りに「自由に設計できる」というものですよね。
だけど、チラシやカタログなんかをよーく見ると参考プランとして、広さやタイプ
ごとに図面と値段が書いてある。おまけにその価格に含まれるシステムキッチンやバ
スルーム、その他の設備機器なんかが載っていますよね。
これを見ると、何だかその参考プランの中から自分の土地に近い広さや間取りのプ
ランを選んで、少しアレンジしてプランを作らなきゃならないように思ってしまいませんか?
間取りに関して当然あなたがこうしたいという間取りに変えられなければ自由設計
になりません。まあすべてのお宅の敷地や建築条件がすべて違う訳ですから、必然的
にそうなりますね。
壁やドア、内装なんかもいくつかのバリエーションから選べるようになっているは
ずです。
設備機器は、もしそれらのモノがあなたの望んでいる機能、デザイン、グレードに
近いものであれば、それを採用してもいいでしょう。おそらくコストパフォーマンス
は高いはずですから。またどうしても変えたいのであれば、オプションから選ぶか、
もしくは多少割高になりますがまったく別のものに変えることもできますね。
でもこれが本当に「自由設計」なのでしょうか?
これだとまるで、新車を買う時のように、まずメーカーと車種を選んで、車体の色
や内装のデザインを決めて、カーナビなんかのオプションをつけるかどうか悩んで、
最終的に「もちょっと安くならヘン?」となぜか関西弁で値切って、めでたく決定!
あとは納車を待つばかり・・・というのと同じ感じがしません? 当然のことなが
ら、この場合、決して「車をオーダーメイド(自由設計)する」とは言いませんよね。
これを家に当てはめると、むしろ「建売り住宅を買う」というパターンに近いかもしれない。
これらの「○○シリーズ」などというのは、あくまでもお客さんが選ぶ時の目安と
して代表的なパターンを示しているだけのこと。
ぜひこれを間違わないようにしておいて欲しいと思います。
これらの商品がコストパフォーマンスに優れていることは否定しません。標準的な
仕様の家というのは、それぞれの住宅メーカーが何年も研究して、できるだけ多くの
人が満足でき、且つ建てる時にできるだけ手間がかからずに効率良く住宅メーカー自
身も儲かるようにできているからです。
つまり「最大公約数的な効率の良い家」と言ってもいいかもしれません。住宅メー
カーだって、ボランティアではなくビジネスですから、それは間違いではないと思います。
また予算あってのマイホームですから、できるだけ安く良い家をと思うことは当た
り前のことですし、価格とデザイン、仕様などが「自分が望んでいた家とピッタリだ!
」という人には、悪くない買い物だと思います。
実際こういった定番の商品シリーズには、お客さんの側から見ても、機能やデザイ
ン、間取りの特徴なんかがハッキリしていて選びやすい、コストパフォーマンスが高
いなどといった利点もあります。
でも私がちょっとおかしいなと感じるのは、すべての人がこれらのシリーズの標準
仕様の家に十分に満足できるとは思えないということなのです。
加えて、困ったことに、多くの住宅メーカーが考えていることは、「できればこれ
らのシリーズから選んでもらって、できるだけ標準的な仕様で建てたい!」というこ
となのです。なぜなら売る側の立場からすると、それがいちばん楽!だからです。要
するに余計な手間がかからない。
でも、「せっかくの注文住宅なんですからぁー!」と私は声を大にして言いたい!
だって、逆の立場、つまり私がお客さんの立場になって考えてみると「注文住宅で
ある限り、できる限りのわがままはしっかり聞いてもらおうじゃないか!」と思うの
ですが・・・いかがでしょう?
だって、わがまま言って苦労するのは設計者なんですから、(私がイチバン身にし
みてわかっているつもりデス。ハイ。)自分ちのプランを作っていくのに設計の人に
はできるだけ苦労して、苦心して、工夫してもらった方がいいプランができそうでし
ょ? 私が逆の立場なら言います言います!(笑)
そんなことしたら値段が高くなる? もしそれで予算が合わないのなら元に戻したっ
ていいじゃないですか。それで元々。
そうです! 私が言いたいのは、せっかくの「自由設計の注文住宅」なのですから、
もっと「あーしたい!こーしたい!」ということを投げかけてみるべきです。もっと
プランの作り手に努力や工夫をさせるべきではないか、ということなのです。と自分
の首を絞める。(笑)
でも正直な気持ちです。
と、ここまでの話を読んで、「そんなこと言っても、ちゃんと対応してくれるのか?」という声が聞こえて来そうです。でも、ちゃーんと対応してくれないとすれば、何
もそこに建ててもらう必要なんてないじゃないですか。一生に一度のマイホームなんですから。
見極め方はカンタンです。あなたの要望に対して、何の検討もしないで、「それを
すると値段がこれだけ上がりますよ」などと、コストアップを楯にできるだけ「決ま
りきった標準的な仕様」の方へ誘導して行こうとする人とはオサラバです。何度か話
をしているうちに担当者の話ぶりでわかるはずです。そんな時は、やめましょう。それだけです。
最後にも一回。「注文住宅なんだから、あなたの思うようにあーしたい、こーした
いをしっかり伝えて、それを実現するために努力してもらいましょう!」これが自由設計の家をプランするときのポイントです。
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