第五話 コマーシャル、パンフレットのイメージに惑わされるな!

例えば、美しいBGMと共にカッチョイイ、もしくは感じのイイタレントが、「夢のある住まいを実現するために私たちはこんなことを考えました」的な言葉とキレイなマイホームの映像。
こんな映像を何度も見せられてしまうと、人は皆、「マイホームづくりって楽しい!」ということを知らず知らずのうちに想像してしまいます。もちろん宅に限らず、すべてのコマーシャルや広告宣伝は「見た人に良いイメージをふくらませてもらうこと」が目的なのですから当然の話ですね。
それを見たあなたは、家づくりというのは、いとも簡単に、笑顔が絶えない和やかな「プランの打合せ」が進み、夢に見たようなわが家が完成する。庭をかけ廻る愛犬のゴールデンレトリーバー、休日はウッドデッキで気のおけない友人たちを招いてのホームパーティー、笑顔が絶えないリビングなどなど、夢がどんどんふくらんでいくはずです。
カタログやチラシも同じ。いくら目を凝らして読んだって、いいことしか書いていませんねぇ。だって宣伝なのですから。

現実はどうか。
まず、テレビコマーシャルやカタログなどで高らかにうたっている「いい言葉」。現場の担当者がその言葉どおりに実行しているか。問題はそこにあります。
コマーシャルのイメージや宣伝文句のどおりの対応をしてくれているとすれば、問題はありません。そのまま夢のような家づくりを進めて行けばあなたの思い描いたマイホームが完成するはずです。
ところがどっこい! そうは問屋が卸しません。
実際の家づくりは、大変な労力と手間と知恵がかかってきます。それはもちろんお金を出して発注者となるあなたも同じです。
家づくりは、予算の問題、家族間での意見のくい違い、予想もしなかった問題、迫るスケジュール、イメージと現物とのギャップ……などなど、本当に大変なエネルギーが求められるのです。これらのすべてが、今やっている仕事や家事、あなたの現在の生活にプラスアルファされてくるのですから、楽なはずはありません。
ことことはしっかりと覚悟しておいた方が良いかと思います。
だけど、苦労して、考えて、工夫して、頑張った分だけ、必ず「あなたやあなたの家族にとっていい家」になって返ってきます。これも間違いないです。
本格的に家づくりに取り組むという前に、まず広告宣伝などのイメージに惑わされず、冷静になってものごとをひとつひとつ判断していく心構えを持つことが大切です。また何よりも、心身共に健康な状態で家づくりに取り組むことは言うまでもありません。
何となく夢を壊しちゃったかもしれません。でも本当のことです。

最後に、少しイイ話をひとつ。
プランづくりが進んで、おおまかな予算も決まってきて、いざ値引き交渉の段階に来たら、ここで初めて思い出してみましょう。あのテレビのコマーシャルを。あのコマーシャルをテレビで何度も何度も流すために、莫大なお金をかけ、そのお金を少―しずつ、わからないよーにそっとあなたのマイホームの費用の中にプラスしているのですゾ。もちょっと値引きしてもらってもイイんじゃないですかぁ?



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