第八話 親子仲良く? 二世帯住宅って、いったい何なんだ?

新しく家を建てる場合、古くなった実家を建替えるのを機に、両親と一緒に住むことにと二帯住宅にするというケースも多くなってきました。
この二世帯住宅というヤツ、ご想像通り、色々とドラマがあるのですねぇ。
一見とても仲が良さそうなご家族でも、打合せを終えたあと、奥さまから「あとは こっちで話をしましょう」と言われ、「実は……」と信じられないようなお話を聞か され唖然とすることも少なくないのです。もちろん、逆にお姑さんに耳打ちされるこ とも。次の打合せのときには、どんな顔をして良いのやら、と困ってしまいます。

さて、本題です。
二世帯住宅を建てる最も大きな理由は、経済的な理由。つまりそれぞれ親の家、自 分の家族の家と二つの家を建てるよりも、ひとつの大きな家を建てる方が効率が良い、 ということになりそうです。
私は、二世帯住宅を建てる時のいちばん大きな問題はここにあると思っています。
残念ながら「そこに一緒に住みたいから二世帯住宅にしたい!」ということではない。
かといって、じゃあ無理して二つの家を建てましょう、というわけにもいかない。
だとすれば、最低限自分たちの思いがどこにあるのかをしっかりと認識し、どんな家 を建てるのかを決めていくことがとても大切になってくるのです。
極端にいえば、それによってプランの作り方が一八〇度変わってくるのです。これ は、二世帯住宅に限らず、プランづくりをするときに不可欠な、あなたの家のコンセ プト(基本となる考え方?見つけるという作業でもあります。
あなたも、決して建前じゃなく、ホンネで考えて見てください。

まず、「できれば一緒になんか住みたくない。だけど主人がどーしてもと言うから しょーがない。お義父さんたちの土地がないと一戸建てなんて無理だし……」というパターン。
次に、「いやいや、うちは本当に仲がイイんです! でもだからこそ、お互いの家 族の生活を尊重することで今までのイイ関係を続けて行きたいんです」というパター ン。みんな本当に、みんな仲がイイ! だから一緒に住みたい、暮らしたい! とい うある意味理想的なケースですね。大きく分けてこの二つです。

前者は、いわゆる「一敷地二生活空間住宅」。つまり、「ひとつの敷地に二つの家 を建てる」という考え方。もちろん実際の建物自体はひとつですが、プランを構成し ていく時に、「まったく異なる生活スタイルを持ったふたつの家族のために二つの生 活空間を作る」といことを頭において組み立てて行くのです。

逆に、後者は「二世帯住宅」ではなくて、「多家族一世帯住宅」という考え方。
これは、二つの家族を、「大人数のひとつの家族」と捉えて、ひとつの生活空間を組 み立てるというものです。

このように、家づくりの考え方を明確にした上で、プランづくりを進めることで、 どの部屋をどう配置するのか、動線をどのようにとるのか、必要なものは何なのか… …などなどを決めて行くのです。
もちろん、土地の広さや予算には限りがあります。だからこそ、考え方をハッキリ して、その家族の思いや生活パターンに基づいて、玄関やバスルーム、キッチン等々、 必要な機能を共用にするか、どう割り振るかなどを見極めていくのです。

さて、あなたはどちらでしょう? いえいえ、誰も聞いていませんから、ホンネで 答えを出してみてください。
これから、あなたが建てようとしているのは、「一敷地二生活空間住宅」なのか?
それとも、「多家族一世帯住宅」なのか? ということを。



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